リンパ浮腫総合研究所

―取り残された大切な医療分野−

 

                         リンパ浮腫総合研究所所長 野添之夫

 

医療の現場に携わり23年が経過した私が、耳にする機会がなかった疾病の一つに「リンパ浮腫」があります。この疾病の治療に真っ向から取り組み始めたのが2002年のことでした。そして調べれば調べるほど治療施設の少ないことや、積極的な治療や指導、情報までも正しく開示されていません。しかし、一方ではこの病気で悩んでいる患者さんが大勢いることに気付かされ、素直に驚きと憤りを感じました。

 

「リンパ浮腫」の治療が日本の医療現場において遅々として進化せず、未だに保険診療などが容認されていないのか。それはおそらく全世界的にみても有効な薬や完治可能な手術法見当たらず、40〜50年前に確立された治療法(複合的理学療法)が現在でも、尚最も効果的な治療法(2003年世界リンパ学会報告)だとされているからでしょう。

 

そこで私達は、この40年以上前から受け継がれ現在でも有効とされている治療法を確立した。ドイツのリンパ浮腫専門病院フェルディークリニックへ研修にまいりました。

 

このクリニックで見た複合的理学療法は、医療の原点ともいうべき『手当』による治療法が主で、スキンケアーから、身体全体へのリンパドレナージ(マッサージ)とバンデージ療法(圧迫療法)。その後には各患者のレベルに合わせた運動療法を指導するというもので、患者さんとセラピストがマンツーマンで行う時間と手間のかかる治療方法で、現代の日本の医療制度では到底考えられないものです。

 

研修終了後、私達はリンパ浮腫の情報発信基地となるべく『リンパ浮腫総合研究所』を設立し、これからリンパ浮腫で悩み苦しんでいる方々のお役に立つことを目指し活動の場を設けました。最終的にはこの治療法を私たちなりに昇華させ保険適用までも視野に入れた活動を心がけますので、どうぞ見守り頂ながらもご批判ください。