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両国あしのクリニック リンパ浮腫専門医師に聞きました……リンパ浮腫Q&A
Q . リンパ浮腫を放置するとどうなりますか。
A . リンパ浮腫は、痛みを伴わず、徐々に進行してゆきます。放置すると、合併症(起こしやすいのは下記12)を引き起こしむくみを増悪させ、更に皮膚は硬く変化してゆきます。こうなると、活動範囲も狭くなり、日常生活も制限されてしまいます。
【合併症】
1 蜂窩織炎やリンパ管炎と呼ばれる急性炎症性変化
2 皮膚からリンパ液が滲みだし細菌感染を誘発する可能性のあるリンパ漏
3 潰瘍形成
4 リンパ管肉腫
Q . 治療法について教えてください。
A . 現在のところ複合的理学療法が最も確実な方法です。これは、薬物を用いない保存的治療で、適切な医療用リンパドレナージと圧迫療法が主な柱になっています。
Q . よく処方される薬物について有効性を教えてください。
A .
利尿剤 …… むくんだ部分だけでなく、全身の水分を尿として排出してしまいます。むくみは多少軽減しますが、副作用の問題もありますので使用には注意が必要です。
エスベリベン …… 末梢循環改善薬として用いられることがありますが、リンパ浮腫には有効とは言い難いと思います。
Q . がん治療で受けた放射線治療の影響を教えてください。
A . がん治療には放射線治療は有効ですが、放射線は皮膚表面にあるリンパ管に悪影響を与えます。リンパ浮腫の症状である皮膚のツッパリ感や重だるさが出やすくなる可能性があります。
Q . 完治の望みはありますか。
A . 発症原因不明のリンパ浮腫、がん手術に伴うリンパ節切除が原因と思われるリンパ浮腫、どちらも慢性化すると完治は難しいといえます。しかし、リンパ浮腫に限らず、治療の継続が必要な慢性疾患は糖尿病や高血圧など身近なところに多く見受けられるのではないでしょうか?完治が難しいことで悲観的にならず、治療には薬の副作用の心配もなく、努力次第で良好な状態を維持できるのですから、積極的に治療法を習得されることをお勧めします。
Q . 慢性静脈疾患とリンパ浮腫は関係ありますか。
A . 静脈の慢性的な障害はリンパ系に悪影響をもたらす可能性があります。静脈瘤などがあるとむくみの症状を訴えられる方がいらっしゃるのはこのためです。しかし、逆にリンパ浮腫により静脈の流れが悪くなることはありません。
Q . センチネル生検について教えてください。
A . 乳がん手術の際にリンパ節切除を最小限に抑え手術後のリンパ浮腫や感覚障害を予防するセンチネルリンパ節(見張りリンパ節)生検法がマスコミなどで取り上げられていますが、これは、従来の乳がん手術法と同じだけの治療成績が保証されるかどうかという結果が出ていません。センチネル生検によって手術後のリンパ浮腫発症は防げても、再発の可能性は現状ではありえます。しかし、再発を防ぐことと、手術後のリンパ浮腫をはじめとするトラブルを防ぐこと、双方を目的とする手術法の開発が進んでいることは、救命はもちろん手術後の生活に関しても医師をはじめとする医療従事者の関心が高まっていることだと思います。
リンパ浮腫セラピストが答えます……患者様からよく受けるQ&A
Q . 同じ手術をうけても、なぜリンパ浮腫を発症する人としない人がいるのですか。
A . リンパ浮腫を発症するかどうかは、手術によってリンパ節をどの程度切除したか、放射線治療を受けたかなどのほかに、患者さんそれぞれが持っているリンパ機能の状態や加齢によるリンパ機能低下が関与しているため、同じような手術をしても発症に違いがあると考えられます。
Q . 仕事はしてもよいですか。
A . 弾性包帯やストッキングやスリーブを身につけて行ってください。
しかし、長時間の立ち・座り仕事は症状を悪化させる可能性があります。
Q . 水泳はしてもよいですか。
A . 水泳は効果的であると考える海外の専門かもいますが、プールの施設内での雑菌による感染症の危険性や、水中の塩素による皮膚の乾燥が心配されます。
Q . 浮腫のある患肢は暖めたほうがよいのですか、冷やしたほうがよいのですか。
A . 患肢を暖めることは避けてください。暖めると血行がよくなり血流量が増えます。血流量が増えると、体内での代謝活動も活発になり、最終的にリンパ液量も増えると考えられるからです。日焼け、熱いお風呂、コタツの使用など注意しましょう。足浴や半身浴をする場合は、ぬるめの温度で行いましょう。
Q . 蜂窩織炎などの症状(患肢に赤み、熱感、腫れ、痛みなど)が見られた場合はどうしたらよいですか。
A . ご自身で判断せず、必ず医師に相談し、指示を受けましょう。